再確認「原油市場を取り巻く環境」
原油市場を取り巻く環境をまとめると以下のようになります。テーマを時間軸でわけることは非常に重要です。値動きとテーマの時間軸をそろえることが、正しい分析や精度の高い予想を手繰り寄せると考えるためです。
短期的な値動きを超長期視点のテーマで説明するなど、矛盾を抱えないように配慮しなければなりません。
例えば、世界規模の気候変動に対応する策を考える会合で化石燃料(原油、天然ガス、石炭)を使わないことを決定したとしても、化石燃料の需要はすぐにはなくなりません。人類はこれまでに発見してきたぜいたくをすぐに捨てることができないためです。
この場合、長期視点で少しずつ化石燃料の需要が減少し、それに応じて長期視点で少しずつ原油相場に下落圧力がかかることが想定されます。(こうした会合は短中期的な原油相場の変動要因にはなり得ない)
2023年の状況を確認したり2024年を展望したりすることは、短中期的な時間軸の値動きに着目する行為であるため、注目するテーマは(1)産油国の動向と(2)需要動向の二つです。