今日の為替ウォーキング

今日の一言

計画を立てるとき、私以上に小心な人間はいないだろう。しかし決断したら全てを忘れ、その決断を成功させること以外は考えない。-ナポレオン

Rock And Roll All Nite

 中央銀行は、デイトレーダーのように政策をコロコロ変えることはない。経済データを見て、利上げだ、利下げだと騒いでいるのはマーケットであって、FRBの政策方針はずっと変わっていないのだ。

 今年の6月末に開催された、金融シンポジウム「ECB(欧州中央銀行)フォーラム」の討論会でパウエルFRB議長は、7月と9月に連続利上げする考えを示していた。そして、その通りに6月の休止を挟んで7月に利上げした。

 これで利上げは終わりとの見方になったが、今は逆になっている。もっとも、FRBの「データを重視する」という言葉に惑わされてマーケットが勝手に意見を変えているだけだ。FRBの答えは決まっているのだろう。パウエル議長が9月に利上げするというのだから、きっとそうするのだ。

 日銀は、他の中央銀行とは比較にならないほどひとつの政策を長期間続けている。しかし、日銀が低金利を維持したまま円安を防止することは不可能だ。つまり円安は中央銀行の政策の違いを精確に反映したファンダメンタルズ的な動きである。

「円安は好ましくない」と本当に考えているなら、今ならまだ止めることはできる。しかしそうしないのは、本当は円安を歓迎しているか、あるいはできない事情があるのだろう。

 日銀は、2013年4月に「量的・質的金融緩和」政策を導入して以来、10年以上も異次元緩和を続けている。しかしその効果のほぼすべては金融部門が吸収し、実体経済の支援にはなっていない。日銀のマイナス金利のせいでゾンビ企業(経営が破綻しているにもかかわらず、金融機関や政府機関の支援によって存続している会社)が生き延び、日本経済の活性化を妨げているとの批判も多い。

 マイナス金利が長く続くほど、銀行の収益性と貸出活動の両方が「低下する」ことは、これまでの調査で明らかになっている。日銀はマイナス金利によって、銀行の貸出を増やし経済を活性化させようとしてきた。しかしマイナス金利下での貸出増加は最初の1年間だけで、その後2年間は貸出が減少し、当初の増加分を取り返す以上に減少するとう結果がでている。

今週の注目経済指標

出所:楽天証券作成