日本株に追い風となる構造変化

 今、日本株固有の追い風として私が注目しているのは、以下3点です。

【1】インフレ復活で、名目GDPの伸び加速

 2023年1-3月の名目GDP(国内総生産)は前期比年率8.3%の増加でした。2023年度の名目GDPは4%成長を予想しています。インフレ・名目GDPの上昇が、日本の企業業績・株価に追い風となると予想しています。

日本の名目&実質GDPの四半期成長率(季節調整済、前期比年率):2022年1-3月~2023年1-3月(2次速報)

出所:内閣府GDP統計より作成

【2】リオープンで内需拡大の期待

 米国は2021年に景気が過熱して深刻なインフレが起こり、今、景気減速局面です。一方、日本はリオープンで今、やっと内需回復期待が出ているところです。インバウンド(訪日外国人)消費の回復も、期待されています。

【3】自社株買い増加の期待

 東証がPBR(株価純資産倍率)1倍割れ企業に、株主価値改善策の開示と実施を要請したことで、今後、日本株で自社株買いが増える期待が出ています。

 米景気がハードランディングにならない限り、日本株の上昇トレンドが続くと予想しています。ただし、当面、米利上げが続き、米景気がハードランディングになる不安が蒸し返す可能性もあります。

 ただし、日本株は一本調子の上昇は見込めず、これからも急落・急騰を繰り返しながら上昇していくものと考えています。日本株を時間分散しながら、少しずつ買い増ししていくことが、中長期の資産形成に貢献するという判断は変わりません。

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