今週の指標:NYダウ(ダウ工業株30種平均)

 今週は、新四半期入りで新たな資金が入ることも期待され、4月は年を通じて季節的に上昇しやすい月と見られており、また税還付金などの新たな資金が今月から株式市場に流入し始めるとの思惑も相場を支えそうです。

 次回のFOMC(米連邦公開市場委員会)で鍵を握る雇用統計が週末に発表される予定で注目となります。米地方銀行2行の破綻は、当局の支援によりいったん鎮静化しましたが、最終的に金融不安につながるかどうかは現時点ではまだわかりませんので注意が必要です。

 FRBは、金融不安を受けて、ピーク金利を5.25%付近と見ており、高インフレの改善ペースが想定通りに進まないことから、一時は5.75%から6%付近まで金利が上昇する可能性も予想されていました。

 FRBの高官は、年内にあと1回の利上げを支持する姿勢を見せており、雇用統計が想定通り良ければ、あと1回の利上げを正当化することになりそうです。逆に利上げ停止が視野に入れば株式相場にはプラスとなります。

 経済指標では、3月ISM(米サプライマネジメント協会)製造業景況指数、2月製造業受注、2月耐久財受注、3月ADP雇用統計、2月貿易収支、3月ISM非製造業景況指数、週次新規失業保険申請件数、3月雇用統計などが予定されています。今週は、金融不安も落ち着いていることや、新四半期入りということもあり、上昇が期待できそうですが、経済指標の結果次第ではここから下落する可能性もあります。

先週の動き

 先週は、米国での地銀倒産から始まった金融システム不安も落ち着いてきていることで、目先は戻りを試すことが期待されました。

 週始めの27日(月)は、+194ドルと反発し、28日(火)は、金利上昇を嫌気して4日ぶりに小反落するものの、29日(水)は、金融システム不安が後退し、+323ドルの3万2,717ドルと大幅高となりました。

 半導体が買われナスダック総合指数も+210Pの1万1,926Pの大幅高でした。30日(木)も新規失業保険申請件数が予想を上回りセンチメンタルの改善が続き、+141ドルと2日続伸し買い戻しが始まっています。

 週末31日(金)は、FRBが注視する物価指数が鈍化したことを受け、利上げ停止期待が近いとの思惑からNYダウは、+415ドルの3万3,274ドルと大幅に3日続伸で引けました。目先は3万3,400ドルを超えると上値が重くなるところへきました。

今週の指標:ドル/円

 今週のドル/円は、欧米金融システム不安は払拭(ふっしょく)されていないものの、過度な懸念は和らぎ、安全資産の円買いは弱まりそうです。FRBはインフレ抑止の方針を堅持するとみられ、ドル買い・円売りは継続する可能性があります。

 一方、パウエル議長は21~22日のFOMC後の記者会見で利上げ休止を検討したことを明らかにしましたが、インフレ抑止に向け引き締め姿勢を維持したことで米長期金利は下げづらく、リスク回避的なドル売り・円買いは縮小しつつあります。次回、開催のFOMCに向け、今後、発表される経済指標で利上げを継続する材料となるか注視するところです。

 週末、発表の3月米雇用統計では、市場予想を上回った場合、金利高・ドル高の材料となり、ドル買い・円売りが加速することになります。予想レンジは130~133円を予想。

先週の動き

 先週は、週始めの27日(月)、28日(火)は、金利上昇歩調の中、130円をはさんだもみあいとなっていましたが、29日(水)は、金融システム不安の後退で米株主要3指標は大幅高となり、ドルも買われて1ドル=132.88円まで上がって、132.74円で引けました。

 30日(木)は、主要3指標の2日続伸に合わせて、132円台後半でのもみあいが続きました。週末31日(金)は、FRBがインフレ指標としている物価指数の2月分が予想以上に伸びが鈍化し、ミシガン大学消費者信頼感指数も速報値より下方修正したことで、133.31円まで上昇し、132.62円まで反落し、132.83円で引けました。