今週の予想

今週は、2万7,500~2万8,500円のレンジの中で上値をつけて一服する可能性

 先週の日経平均株価は、3月期末配当の権利落ち後も急伸し、週末の3月31日(金)には、3週間ぶりの2万8,000円を回復しました。米シリコンバレーバンクの経営破綻に端を発する金融システム不安で下落する場面があったものの、欧米当局の対応は早くひとまず落ち着きました。

 ただし、世界の金融機関の経営状況をめぐっては、まだ予断を許さないところがあるので注意が必要です。そういう状況の中で米国株は3日連続の大幅続伸となりました。

 これは、米経済指標でインフレに注視される指標が鈍化してきたことで、FRB(米連邦準備制度理事会)の利上げの終点が意識され、年内利下げ転換への期待が企業業績の見通しを押し上げていることになります。これを受けて米国で半導体関連株が持ち直しつつある状況が日本株に好材料となっています。

 名実ともに新年度入りする今週は、新規資金がハイテク株、バリュー株に向かう期待がありますが、目先は買い戻しを中心に大きく上昇しており、2万8,500円水準では一服する可能性があります。4月上旬に一服して2万8,500円を突破すれば次は3月9日の高値2万8,734円を目指す展開が想定されます。目先は2万7,500~2万8,500円のレンジを想定します。

今週の指標:日経平均株価

 先週は、金融システム不安の後退から日米ともに大きく戻りを試す動きとなり、日経平均は円安も支えとなって週末31日(金)は、前場に+341円の2万8,124円まで上昇して終値では+258円の2万8,041円と3週間ぶりに2万8,000円を回復しました。

 買い戻しを中心に上昇してきましたので、目先は一服する場面もありますが、そこでは押し目買いになる可能性が高いといえます。その後、3月9日の2万8,734円を目指すことになります。

先週の動き

 先週は、29日が3月期末配当の権利付最終日にあたるため、3月期末の配当取りと再投資が絡んだ上昇を想定しました。

 週始めの27日(月)は、+158円の2万7,543円まで上昇して、終値は+91円の2万7,476円、28日(火)は、金融株を中心に買い戻され+41円の2万7,518円と2万7,500円台を回復。

 29日(水)は、3月期末配当取りに加え円安と配当再投資に絡んだ先物買いで+365円の2万7,883円と大幅に3日続伸となりました。

 30日(木)は、3月期末配当落ち日にあたり、売り先行で▲253円の2万7,630円まで下げ、その後は先物に断続的な買いが入り、▲100円の2万7,782円と4日ぶりの反落でした。

 週末31日(金)は、前日の米国株式で3指標がそろって2日続伸となったことや円安も支えとなって買い先行で始まり、一時+341円の2万8,124円まで上昇、終値は+258円の2万8,041円と2万8,000円台を3週間ぶりに回復しました。