イールドカーブは「さらなる利上げを織り込んだ」形のまま

 雨宮氏が後任総裁となる可能性が高くなったものの、それでも、金融市場が日銀の緩和修正を織り込んだ状態であることは変わりません。日銀は今、長期(10年)金利を0.5%以下に押さえ込むYCCを行っていますが、それが撤廃される可能性が、国債のイールドカーブ(利回り曲線)に表れています。

日本国債のイールドカーブ:2021年12月末~2023年2月8日までの変化

出所:QUICKより楽天証券経済研究所が作成

 ご覧いただくと分かる通り、日銀のYCCによって10年金利は0.5%以下に抑え込まれていますが、周辺年限の金利は上昇しており、10年金利だけが低くへこんだいびつな形になっています。金融市場は、日銀が10年金利を0.75%以上に引き上げることを許容せざるを得なくなることを織り込んでいると言えます。