「中央銀行」を軸に長期投資に臨む

 ウクライナ危機を機に、「民主国家(≒西側)」と「非民主国家(≒非西側)」の間の溝は深まるばかりです。

 ここでいう「非西側」は、4種類のグループの合計です。旧ソ連諸国(ロシア、ベラルーシ、カザフスタンなど)、産油国(サウジアラビア、イランなど)、ロシアに隣接する一部のアジア諸国(中国、北朝鮮)、南米・アフリカの資源国(ボリビア、ザンビアなど)です。いずれも非民主的な傾向があります。

 こうしたグループは、もともとロシアになびきやすい(主に旧ソ連諸国)、化石燃料の輸出が重要な収益源で西側が提唱する「脱炭素」を受け入れにくい(主に産油国)、独裁色が強く西側が推進する「人権重視」を容認しにくい(ロシアに隣接する一部のアジア諸国など)、西側が否定的にとらえる資源価格の上昇を好意的に受け止める(南米・アフリカの資源国)といったように、細かい文脈は異なれども、「西側と考えが合いにくい国」とまとめることができます。

 仮に危機が沈静化しても、一度深まった世界規模の溝は、簡単には埋まらないと、筆者は考えます。この意味では、危機が沈静化しても、非民主国家の中央銀行による金(ゴールド)の保有高増加は、継続する可能性があります。

図:金(ゴールド)を取り巻く七つのテーマ

出所:筆者作成

「中央銀行」は上記の通り、「中長期」のテーマです。短期的なテーマではないため、今すぐの価格反発に寄与することはないと見られますが、数年単位など、長期視点では価格反発に寄与すると考えられます。

図:海外ドル建て金(ゴールド)価格 単位:ドル/トロイオンス

出所:国内大手地金商のデータをもとに筆者作成

 上記のグラフを見て、金(ゴールド)価格は「もう高い」と感じる方も中にはいらっしゃるかもしれませんが、今起きていることを把握できれば(以前の「金(ゴールド)最高値更新!人類最後の日!?」で書いた「過去」ではなく「今」を凝視することが必要、の考えにのっとれば)、金(ゴールド)を長期投資に用いることはできると、考えます。

[参考]貴金属関連の具体的な投資商品例 ※級は筆者の主観

初級:純金積立、投資信託(当社では、楽天ポイントで投資信託を購入することが可能)

純金積立・スポット購入
ステートストリート・ゴールドファンド(為替ヘッジあり)
ピクテ・ゴールド(為替ヘッジあり)
三菱UFJ 純金ファンド

中級:関連ETF、関連個別株

SPDRゴールド・シェア(1326)
NF金価格連動型上場投資信託(1328)
純金上場信託(金の果実)(1540)
NN金先物ダブルブルETN(2036)
NN金先物ベアETN(2037)
SPDR ゴールド・ミニシェアーズ・トラスト(GLDM)
iシェアーズ ゴールド・トラスト(IAU)
ヴァンエック・金鉱株ETF(GDX)
バリック・ゴールド(GOLD)
アングロゴールド・アシャンティ(AU)
アグニコ・イーグル・マインズ(AEM)
フランコネバダ・コーポレーション(FNV)
ゴールド・フィールズ(GFI)

上級:商品先物、CFD

国内商品先物
海外商品先物
商品CFD