先週のNYダウ、ナスダックは下落基調

図2 米NYダウ(日足)とMACDの動き(2023年3月10日取引終了時点)

出所:MARKETSPEEDⅡを元に筆者作成

 先週末10日(金)のダウ工業株30種平均(NYダウ)終値は3万1,909ドルでした。前週末終値(3万3,390ドル)からは1,481ドル安で、大きく株価を下落させています。

 実際に上の図2を見ても、週を通じて下落基調が目立っていたことが分かります。週末に差し掛かるまで値動きが好調だった日経平均と比べると、かなり異なる値動きでした。

 また、25日と50日の2本の移動平均線が株価のレジスタンス(抵抗)となったほか、週末にかけての一段安で200日移動平均線も下抜けるなど、下向きの意識を強めています。

 しかも、25日と50日移動平均線については「デッド・クロス」も出現しており、チャートの形状は悪化しつつあります。

 前回のレポートでは、「株価の移動平均線上抜けなど、テクニカル分析的な買いサインをこれから試す状況」と説明していたように、前週の時点では株価上昇の期待感もあったのですが、結果的に実現できなかった格好です。

図3 米ナスダック(日足)とMACDの動き(2023年3月10日取引終了時点)

出所:MARKETSPEEDⅡを元に筆者作成

 ナスダック総合指数(ナスダック)も、株価が下落基調をたどった点についてはNYダウと同様です。先週末10日(金)のNA終値は1万1,138p、前週末終値(1万1,689p)からの下げ幅は551pです。

 また、25日移動平均線が株価の抵抗となって下げ足が強まり、週末にかけて50日・200日移動平均線を下抜けてしまったほか、下段のMACDも前週末時点で踏みとどまっていた「0p」ラインを下抜けるなど、こちらもチャートの形状が悪化しています。

図4 米S&P500(日足)とMACDの動き(2023年3月10日取引終了時点)

出所:MARKETSPEEDⅡを元に筆者作成

 S&P500種指数(S&P500)についても、25日移動平均線が株価の抵抗となって下落基調を強め、50日・200日移動平均線を下抜けるという値動きはナスダックと似ています。

 ただし、先週末10日(金)のローソク足が、昨年から長きにわたって上値の抵抗となっていた「上値ライン」あたりで踏みとどまっているようにも見え、ここで踏ん張ってサポート(支持)となれるかが注目されます。