長短金利の逆転幅が拡大

 0.25%の利上げ実施により、長短金利(10年金利とFF金利)の逆転幅【注】はさらに拡大しました。

【注】長期金利は、短期金利より高いのが「普通の状態」です。ただしFRBが利上げ(短期金利の引き上げ)を続けると、短期金利が長期金利よりも高くなる「長短金利逆転」が起こることがあります。そうなると、金融引き締めによって米景気にブレーキをかけることになります。

米FF金利、長期金利、NYダウ月次推移:2004年1月~2023年2月(1日)

出所:ブルームバーグより楽天証券経済研究所が作成

 米国景気には、長短金利が逆転してから半年~1年くらい後にリセッション(景気後退)入りするという経験則があります。

 ただし、それはあくまでも経験則で、必ずそうなるわけではありません。今回、米景気は減速してきているものの雇用などは強いままで、これまでの経験則が当てはまらないという見方も根強くあります。

 それにしても長短金利逆転幅が開いてきたにもかかわらず、FRBがいつまでも利上げを続けるならば、米景気リセッション入りのリスクが高まります。今後いつ、FRBから「利上げ停止」についてのメッセージが明確に出てくるかが、今後の注目です。

日本株・米国株は良い買い場、少しずつ買い増す投資方針継続

 日本株・米国株への投資方針は、毎週述べていることと変わりません。日本株・米国株とも、長期的に良い買い場を迎えていると考えています。

 ただし、短期的なショック安はまだ終わっていない可能性もあるので、リスク管理が大切です。時間分散しながら日本株・米国株への投資を少しずつ増やしていくことが、長期的な資産形成に寄与すると考えています。

▼著者おすすめのバックナンバー

2023年1月31日:しぶとい米景気、クラッシュは回避?利上げ続くとリスクも拡大
2023年1月30日:注目は2月1日米FOMC、米景気「いい湯加減」か。インフレ低下、GDPは強い
2023年1月23日:日本株は長期投資で「買い場」、コアコア・インフレ率上昇が追い風