今後の日銀金融政策の行方を握る鍵

 今年後半、日本のインフレ率がどこまで低下するかが鍵を握ります。原油先物や穀物などは既に下落しており、輸入インフレは低下していくでしょう。ただし、国内要因のコアコア・インフレがどうなるか分かりません。

 日銀が会合後に発表した「経済・物価情勢の展望(展望リポート)」では、2022年度の物価の上昇率見通しを前年度比3.0%、2023年度は1.6%としました。つまり、今年後半にかけて、インフレ率が大きく低下する見通しとなっています。

 エネルギー価格は下落が見込まれるものの、コアコア・インフレがそんなに急に低下するか、分かりません。物価が、日銀の見通し通りになれば、さらなる長期金利の引き上げは不要になると思います。

 今年後半、もし予想以上にコアコア・インフレが高止まれば、市場からさらなる長期金利の引き上げ圧力が強まると考えられます。今後の、日本のコアコア・インフレの推移を注視する必要があります。

日本株の投資判断

 日本株の投資判断は変わりません。日本株は割安で長期的に良い買い場を迎えていると考えています。

 ただし、短期的にはまだショック安が終わっていない可能性もあります。時間分散しながら少しずつ買い増ししていくことが、長期的な資産形成に寄与すると考えています。

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