イオンは2月・8月の優待人気トップ

 イオンは「株主優待」人気銘柄として有名です。楽天証券「株主優待検索」で長年、2月・8月の優待銘柄で人気トップ【注】の座を維持しています。優待内容は、以下からご覧いただけます。

「イオンの株主優待内容:買物返金カードなど」

【注】2月・8月優待で人気トップ
2月・8月に株主優待を得る権利が確定する銘柄は166あります。楽天証券のお客様で保有している株主の数が多いほど「人気が高い」と判断し、保有株主数の上位銘柄をランキングしています。2月・8月優待とも、人気トップはイオン、第2位はビックカメラ(3048)、第3位は吉野家HD(9861)、第4位はイオンモール(8905)です(1月16日時点)。

 最近、「株主平等の原則」を意識して、優待を廃止する企業が増えていますが、イオンの優待は廃止されるリスクが低いと私は考えています。その理由は、このレポートの過去記事「株主優待」のトリセツ。長期投資にふさわしいと考える優待銘柄4選」に記載しています。ご参照ください。

イオングループ各社の投資魅力は、いずれも高いと判断

 イオンは、中核事業を担う子会社を多数上場させています。典型的な、親子上場企業です。イオンの成長を担う上場子会社は、いずれも、投資価値が高いと判断しています。

【1】イオンフィナンシャルサービス(8570)

 イオングループの金融事業を担います。今期(2023年2月期)の経常利益(会社予想)は550億円と、最高益だった3期前(2019年3月期・この時は3月期決算企業)の経常利益701億円から大きく減少したままです。

 今期は、国内のキャッシュング減少によって前期比で減益となる見込みですが、アジア事業での収益拡大が続いていることから、いずれまた最高益を更新していく力があると予想しています。

 予想配当利回りは1月16日時点で3.9%(1株当たり配当金・今期会社予想50円を1月16日株価1,271円で割って算出)と魅力的な水準です。

【2】イオンモール(8905)

 イオングループのデベロッパー(不動産)事業を担います。今期(2023年2月期)の経常利益(会社予想)は455億円と、コロナ前の2020年2月期にあげた最高益561億円に届きません。ただし、コロナが完全に収束すれば、再び最高益を更新していくと予想しています。

【3】ウエルシアHD(3141)

 イオングループのドラッグ・ファーマシー事業を担います。今期(2023年2月期)の経常利益(会社予想)は前期比8.4%増の516億円と25期連続の最高益を見込みます。

 調剤部門の売上成長が続いています。2018年2月期1,148億円→2019年2月期1,298億円→2020年2月期1,554億円→2021年2月期1,741億円→2022年2月期1,992億円と成長をけん引しています。

 調剤薬局はかつて門前薬局(大病院のすぐ近くにある調剤薬局)優位が続きましたが、その傾向が変わってきています。ウエルシアは、門前でなくても調剤部門の収益が伸びるようになりました。患者が病院の近くではなく、自宅の近くの調剤薬局を利用するようになったためです。

 今期は、抗原検査キット・風邪薬・解熱剤の販売も好調です。また、リオープンが進み、外出する人が増えたことによって、化粧品の販売も好調です。

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2023年1月12日:「株主優待」のトリセツ。長期投資にふさわしいと考える優待銘柄4選