コンビニとの戦いは続く

 総合スーパーにはまだ天敵がいます。セブン-イレブン、ローソン、ファミリーマートなどのコンビニエンスストアです。コンビニの販売のおおむね8割以上は食料品と飲料です。ここは大手スーパーが自前で収益を稼げる部門として、最後まで残してきたところです。

 過去10年で、コンビニは大手スーパーの顧客にどんどん食い込んできました。10年以上前、コンビニの顧客の中心は若年層で、品ぞろえも若年層が外で食べる手軽な食べ物が中心でした。この時は、大手スーパーと直接競合することはありませんでした。

 ところが、コンビニはその後、顧客ターゲットを変えていきました。家庭食をターゲットとして、40~50代の女性顧客を増やすことに成功してきました。家庭食がターゲットとなったことで、コンビニは大手スーパーと直接競合するようになりました。コンビニは次々と魅力的な総菜や食材を開発し、大手スーパーの客を奪っていきました。

 これに対し、イオンはコンビニと対抗するビジネスモデルを徐々に作りつつあります。小型スーパーやドラッグ・ファーマシーです。セブン-イレブンを凌駕(りょうが)するビジネスになったとはいえませんが、コンビニより面積が広く品ぞろえが異なるドラッグストアや、小型の食品スーパーの一部は、コンビニと戦える存在になりつつあります。