コロナ抑制に初め成功した国ほど、今になって感染拡大が深刻に

 皮肉なことですが、2020年にコロナ抑え込みに失敗した国ほど、コロナの影響が早く収束、2020年の抑え込みに成功した国ほど、遅れて感染拡大が深刻になっています。

 インドなど初期の抑え込みに失敗した国は、感染者や死者が当時、拡大しましたが、その後、自然免疫を獲得する国民が増えて、感染収束が早まりました。

 欧米先進国は、中国・東南アジア・東アジアの国々と比べると行動制約に従わない人が多かったため、2020年には感染拡大を抑え込むことができませんでした。その代わり、2021年以降には、ワクチンや自然免疫の効果で、感染は収束に向かいました。

 2020年に感染抑え込みの優等生と言われたアジアの国々は、変異型が猛威をふるった2021~2022年に遅れて感染が拡大しました。そのため、コロナによる経済へのマイナス影響が、欧米よりも長期化しています。

 中国は、その最も極端な例です。2020年に国家権力をもって強引にコロナを抑え込んだ成功体験から離れられず、極端なロックダウンを続けてきた結果、最近まで世界で1番、コロナ感染を抑え込んだ国でした。

 ところが、国家権力を背景とした行動の抑制に国民の反発が強まった影響で、2022年12月についに、ゼロコロナ政策の解除に向かいました。その影響で、世界で最も深刻な感染拡大に、主要国で最も遅く見舞われています。