視点(5)政治の安定

 2022年は5年に1度の党大会が開催される年でした。今回は、習総書記の3期目入りがかかっていたこともあり、特に注目されました。習氏への権力集中が一層強化され、党指導部におけるチェックアンドバランス機能や集団指導体制が疑問視され、市場もそんな党大会にネガティブに反応しました。

 そうこうしているうちに「白紙革命」が勃発。現在は落ち着いていますが、今後、どんな引き金を発端に、民衆が権力に牙をむくかわかりません。本稿で述べたように、2023年の中国はまだまだ多くの課題に直面するでしょう。

 それらの課題を解決する上で、党指導部が団結できるかどうか、国民の不満や不安をどう解消していくか、これらは政治の安定に直結します。そして、中国において(中国に限った話ではありませんが)、政治の安定は経済や社会動向を大きく左右します。

 3期目入りした習政権が政治の安定をどう担保していくか。私は最大の注目ポイントだと見ています。2023年も中国から目が離せない1年となるでしょう。