中国にとって多難の2022年。習近平にとって勝負の師走

 2022年は本当にいろんなことが起こり、観察や分析が状況の進行と変化に追いつかない。

 中国を巡る昨今の情勢を見ながら、そんな心境を抱かざるをえません。

 北京冬季五輪、新疆ウイグル自治区における人権問題、米中対立、台湾問題、習近平(シー・ジンピン)総書記の3期目入りとさらなる権力集中、そして新型コロナウイルスの感染拡大を受けての「ゼロコロナ」策、ロックダウン…。

 今日から師走に入りますが、この1年を通じて、中国では政治、経済、外交を含めありとあらゆる事件、事態、事象が五月雨式に、交錯するように発生しました。中国で何が起こっているのか、中国はこれからどうなるのか、という感想を抱かずにはいられない状況が続いてきたと振り返ることができます。

 西に目を向ければ、ロシアとウクライナは依然として戦争状態にあります。停戦に向けた兆しは見いだせず、長期化、膠着(こうちゃく)化する様相を見せています。ウクライナ危機を解決するという観点からも、中国の意図や動向は注目されます。

 一方で、習総書記率いる中国共産党指導部の今の心境は、ウクライナ情勢どころではない、だと思います。現在、中国では近年まれに見る事態が発生しており、場合によっては、国家や社会の在り方や方向性を左右する可能性を内包しています。習氏にとって、この師走は勝負の月になると見ています。