上昇・下落、両要因を整理。相殺され価格上昇へ

 2023年の原油市場を取り巻く環境について、筆者の考えを述べます。2022年と同様、上昇要因と下落要因、それぞれの影響力が相殺されながら、価格が推移するとみています。

 通年で「産油・産ガス国の政情」起因の上昇圧力が存在する中で、年前半は「需要動向」起因の下落圧力が優勢に、年後半は逆に「需要動向」起因の上昇圧力が優勢になると考えています。

図:2023年の原油市場を取り巻く環境(筆者予想)

出所:筆者作成

「温暖化対策」や「技術革新」、「食料問題」といったテーマは、中長期視点でとらえる必要があります。2023年にこれら起因の圧力が生じることもあるとみられますが、当該年に限った価格推移を考える際は、短中期のテーマ起因の圧力を優先して注視すべきであると、考えます。