第4四半期からバークシャーの業績にオクシデンタル・ペトロリアムの収益が計上される

 最後にバークシャー・ハサウェイの業績も確認しておこう。5日に発表した第3四半期(2022年7-9月)の決算によると、最終損益は26億8,800万ドルの赤字に転落した。(前年同期は103億4,400万ドルの黒字)

 FRB(米連邦準備制度理事会)が異例のペースでの利上げが継続する中、市場が混乱したのに伴い、保有している上場株の評価損益が悪化した。最終損益には保有する上場株の評価損益を反映する必要がある。上場株を多く保有するバークシャーの最終損益はブレが大きくなる。このため、バフェットは「最終損益には意味がない」と語っている。

 なお、事業の収益力を映す営業利益は前年同期比20%増の77億6,100万ドルだった。保有する株式のパフォーマンスばかりが注目される傾向にあるが、バークシャーは傘下に鉄道、保険、公益事業などを持つコングロマリットである。

 こうした事業から得られる利益が増えており2割の増益となった。今回はとりわけ、金属の精密加工事業が航空宇宙分野の需要増により好調だったという。

 自社株買いについては継続しており、7-9月期には10億5,000万ドルの自社株買いを行った。9カ月間の自社株買いの累計は52億5,000万ドルとなった。一方、9月末の現金ポジションは約1,090億ドルと、6月末の1,054億ドルに対し、若干増加した。

 今後、バークシャーの収益に貢献すると期待されるのが、買い増しを続けてきたオクシデンタル・ペトロリアムの業績だ。バークシャーは保有するオクシデンタル・ペトロリアムについて持分法を採用した。これによりバークシャーは第4四半期から、オクシデンタル・ペトロリアムの業績を1四半期遅れで自社の業績の中に含んで公表することになる。

 ロイターの記事「Berkshire Hathaway could boost earnings after Occidental accounting change(バークシャー・ハサウェイは、オクシデンタルの会計変更後に収益を押し上げる可能性がある)」によると、アナリストは平均してオクシデンタル・ペトロリアムが今年100億ドル以上の利益を計上すると予想しているとのこと。

 オクシデンタル・ペトロリアムによる利益貢献がどの程度になるか、このことが確認できる第4四半期からの業績にも注目したい。