今週のTOPIX、上値を追えるか?

 続いて、同じ国内主要株価指数であるTOPIX(東証株価指数)についても確認していきます。

■(図2)TOPIX(日足)の動き(2022年11月25日取引終了時点)

出所:MARKETSPEEDⅡを元に筆者作成

 先週末25日(金)のTOPIX終値は2,018pでした。二つの株高スイッチの達成はもちろん、2,000pの節目突破や、8月17日の直近高値も上回る上昇だったことが分かります。

 こうした先週の値動きにも表れているように、最近はTOPIXが日経平均よりも強い場面が多く見られます。実際に、前週末からの上昇率は日経平均が1.38%だったのに対し、TOPIXは2.5%となっています。

 となると、今週はTOPIXがさらに上値を追えるかにも注目です。そこで、中長期の株価の動向について探っていきます。

■(図3)TOPIX(日足)の水準感と方向感(2022年11月25日取引終了時点)

出所:MARKETSPEEDⅡを元に筆者作成

 上の図3は、期間が長めのTOPIX日足チャートに、ギャン・アングルとフィボナッチ・リトレースメントを重ね合わせたものです。それぞれ、昨年9月の高値と今年3月の安値を起点に描いています。

 フィボナッチ・リトレースメントで見ると、TOPIXは先週の値動きによって「61.8%戻し」と「76.4%戻し」の高値ゾーンに足を踏み入れています。さらに、このゾーンを抜けたところに1月5日の高値が控えています。株価の水準感では、TOPIXはかなり戻してきたと言えます。

 さらに、方向感を探るギャン・アングルで見ると、最後の戻りの目安となる「8×1」ラインを超え、さらなる上昇を期待させる格好となったわけですが、このラインを「窓」開けで超えている点には注意です。窓開けには、開けた方向への動きを強める働きと、開けた窓を埋めにいく修正の働きがあります。

 その中でも気を付けておきたいのが、9月13日に戻り高値をつけた時のようなケースで、この時は、窓開けでフィボナッチ・リトレースメントの「61.8%戻し」を達成したものの、再び窓を開けて下落してしまい、結果的に「アイランド・リバーサル」と呼ばれる格好となって、その後の株価の下げ足が速まっていきました。

 そのため、中期的には上方向への意識を保ちそうですが、目先についてはTOPIXの上昇が一服する展開も想定しておく必要がありそうです。

 ちなみに、日経平均をギャン・アングルとフィボナッチ・リトレースメントで捉えると、高値ゾーンに一瞬タッチしたものの、まだ本格的に足を踏み入れていないほか、ギャン・アングルの8×1ラインもまだトライしておらず、TOPIXよりも遅れている状況です(下の図4)。

■(図4)日経平均(日足)の水準感と方向感(2022年11月25日取引終了時点)

出所:MARKETSPEEDⅡを元に筆者作成

 となれば、TOPIXに日経平均がキャッチアップしていくのが望ましい展開なのですが、両者の値動きの違いについては、時価総額の大きいメガバンクや商社株が物色されてTOPIXが上昇する一方で、日経平均への寄与度が大きい値がさ株の一部に出遅れが出ていること、来週末のメジャーSQ(12月9日)を控えた需給的な動きなどが影響していると思われ、連動性については普段と異なる動きを見せるかもしれません。