日本株が堅調な理由

 3月以降、米国株が弱い中で日本株は相対的に堅調です。日本株が堅調な主な理由は、以下二つです。

【1】円安

 一時1ドル150円台に乗せる円安(ドル高)が進みました。円安は日本の企業業績には大きなプラス要因です。円安による輸入物価の上昇が国民生活にマイナスですが、企業業績にはマイナス効果よりもプラス効果の方が大きくなっています。
 日本株の動きを支配している外国人投資家から見ると、円安は、「日本の金融資産や不動産をドルで安く買う機会」と映る面もあります。以下の通り、ドル建て日経平均は大きく下落して、コロナショック前の水準を大きく下回っています。

ナスダック・日経平均・ドル建て日経平均の動き比較:2019年末~2022年10月21日

出所:QUICKより作成、2019年末を100として指数化

【2】リオープンへの期待

 日本は、リオープン(経済再開)で、コロナで抑え込まれていた消費が一時的に大きく伸びる可能性があります。全国旅行支援が始まってからさっそく旅行客で人気スポットがにぎわい始めています。外国人旅行者の受け入れを増やす方向にあることにも、期待があります。

 日本株への投資方針は、毎週述べていることと変わりません。日本株は割安で長期的に良い買い場を迎えていると考えています。ただし、短期的なショック安は終わっていないのでリスク管理が大切です。時間分散しながら少しずつ買い増ししていくことが、長期的な資産形成に寄与すると考えています。

▼著者おすすめのバックナンバー

2022年10月20日:資産形成のイロハ【4】日本株の選び方:投信と個別株、どっちが良い?
2022年10月19日:利回り4.6%:NISA口座で買える手づくり「高配当利回り株ファンド」
2022年9月8日:積立投資が資産形成の王道。つみたてNISA、iDeCoなら節税効果も