株式市場の注目:11月FOMCと7-9月決算発表

 目先の株式市場の注目として、以下があります。

【1】11月のFOMC

 11月1~2日のFOMC(米連邦公開市場委員会)で、FRBが引き続き0.75%の大幅利上げを行うか、また、12月13~14日のFOMCについてどのような示唆を行うかが注目されています。11月に0.75%利上げし、12月も同様の大幅利上げを示唆すると、米国の株式市場を下落させる要因となります。
 これに対し、FRBが利上げのピッチを緩めるという期待も一部にあります。あまりにも急ピッチの米利上げが、世界的な金融危機につながるリスク【注】もあるからです。

【注】米利上げが世界的な金融危機につながるリスク
 FRBは今、米国のインフレを抑えることだけに集中していますが、自国のインフレを抑えるためのドル高が、他国(対ドルで通貨が安くなる国)のインフレを加速し、さらに金融危機を誘発することになりかねません。英国債急落にともなう英国の財政不安も、米利上げの副作用といえないこともありません。さらにFRBが急激な利上げを続けると、ドル建て債務の大きい新興国に不安が広がる可能性もあります。
 FRBにとって、金融政策のかじ取りはこれからますます難しくなる恐れがあります。

【2】7-9月の日米企業業績発表

 米国および日本企業の7-9月期決算発表がいよいよ本格化します。これまで堅調だった日米の企業業績が堅調を維持するか、あるいは下振れが増えてくるか注目されています。
 米国S&P500種指数(S&P500)の予想PER(株価収益率)は約17倍に、東証プライムの予想PERは約13倍まで低下していることから、企業業績が堅調を維持するならば、日米とも株はPERで見て割安と判断されて買い戻される可能性もあります。
 ただし、企業業績の下ぶれが増えるとPERは上昇するので、PERで見て割安とはいえなくなります。