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著者の窪田真之が解説しています。以下のリンクよりご視聴ください。
日経平均は二番底トライ?米ハードランディング避けられない?

米利上げショック・米景気悪化懸念でナスダック安値更新

 9月最終週の日経平均株価は1週間(26~30日)で1,216円安の2万5,937円となりました。9月21日の米利上げショックが響いて米国ナスダック総合指数(ナスダック)が安値を更新する中、世界的に株が売られ、日本株にも外国人と見られる売りが増えました。

 9月21日、FRB(米連邦準備制度理事会)は0.75%の利上げを発表、6月・7月についで3会合連続の大幅利上げとなりました。それに加えて、年末のFF金利がさらに1.25%引き上げられて4.4%(FOMC[米連邦公開市場委員会]メンバーの予測中央値)となる示唆があったことが、ショック安を招きました。

 ジェローム・パウエルFRB議長が「景気を犠牲にしてでもインフレ抑制のための金融引き締めをやり遂げる」と繰り返し表明していることもあり、金融市場には米国のリセッション(景気後退期)入りは避けられないと悲観が広がりました。

ナスダック・日経平均比較:2019年12月末~2022年9月30日

出所:2019年末を100として指数化、QUICKより楽天証券経済研究所が作成

 日経平均は昨年10月以降、米国株が急落する中、相対的に低い下落率で済んでいます。円安・リオープン(経済再開)による企業業績押し上げ期待が、日本株が相対的に堅調な理由です。米国株の主要株価指数が一斉に安値を付ける中で、日経平均はまだ年初来安値(3月9日の2万4,717円)より高い水準にあります。

 ただし、米景気がリセッション入りして、世界的な景気後退におちいる場合は、話が変わります。円安・リオープンの効果で日本の企業業績が押し上げられるのは、あくまでも米景気が減速しつつも、リセッションを回避する場合です。米景気がリセッション入りするリスクが意識されると、日経平均もさらに売り込まれるリスクが出ます。