失敗3:予想配当利回りがよい銘柄を選んだが、実際の配当はそれより低かった!

[予防策]予想配当利回りは予測。あてにしすぎてはダメ

 楽天証券の個別株スクリーニング機能「スーパースクリーナー」の検索条件にも「配当利回り(予)」(予想配当利回り)がありますが、これはあくまでも予測です。予想配当金は、企業が業績予想に基づいて発表します。そのため実際の業績が業績予想を大きく下回れば、予想配当金が引き下げられ、実際に受け取った配当金額が期待より少ない、ということもあります。

 とある企業を例にとると、3月期中間決算(2019年11月発表)時点の配当は、中間配当72円(実績)、期末配当72円(予想)の合計144円でしたが、2020年5月18日に発表された2020年3月期決算では期末配当が28円に引き下げられ、年間配当は100円になりました。理由はコロナ・ショックによって、好調だった外国での事業活動が悪化したためです。

 コロナ・ショックのような異常事態を別にして、平時に高配当銘柄を選ぶときは、

【1】業績が安定しているかどうか
【2】過去の配当金額をさかのぼって比較し、安定して同じような配当金を出しているかどうか

をチェックしましょう。淡々と同じような配当金を出し続けている企業は、将来も同額程度の配当金を受け取れる可能性が高いと考えられます。

 しかし、だからといって、「1株配当額」が「1株利益」を上回る状態(たこ足配当と呼ばれる)が続いている企業は要注意です。利益を上回る金額を支払うためには、企業が蓄えた剰余金を取り崩さなければならず、財務体質が悪化したり、企業の成長力が弱まったりする恐れがあります。あるとき力尽きて突然無配転落、株価暴落という可能性もあります。瞬間風速的に、予想配当利回りをあてにしすぎず、企業の本当の体力や、成長力の継続性をしっかりチェックしましょう。