ジャクソンホール相場&「意外な爆弾」に注意!

図4 日経平均(日足)の株価位置(2022年8月26日取引終了時点)

出所:MARKETSPEEDⅡを元に筆者作成

 上の図4は前回のレポートでも紹介した、日経平均の日足チャートに、「ギャン・アングル(ピンク色の線)」と「フィボナッチ・リトレースメント(水色の線)」を重ね合わせたものです。両者ともに、昨年の高値(2021年9月14日)、と今年の安値(2022年3月9日)の下げ幅を基準に描かれています。

 前回のレポートでは、1月5日や6月9日の時のように、株価はギャン・アングルとフィボナッチ・リトレースメントが交差する「節目」に差し掛かると、いったん上昇がストップする傾向が見られることを指摘していましたが、足元でも直近の高値である8月17日がギャン・アングルの8×1ライン、フィボナッチ・リトレースメントの76.4%戻しが交差するところに位置しています。

 1月5日と6月9日の両者ともに、その後の株価が大きく下落しているわけですが、今回もそこまで大きく下落するかについては微妙なところです。

 足元の株価下落が過度な楽観の修正にとどまるのであれば、株価水準的には50%戻し(2万7,738円)あたりが下値の目安、値動きの範囲としては、ギャン・アングルの4×1ラインと8×1ラインの範囲内が想定されます。

 さらに株価が下落するには、先程も述べたように、景況感や企業業績の悪化を織り込む展開となった場合となりそうです。

図5 日経平均75日移動平均線乖離率のボリンジャーバンド(2022年8月26日取引終了時点)

出所:MARKETSPEEDⅡを元に筆者作成

 なお、図4のフィボナッチ・リトレースメントの「50%戻し」の株価(2万7,738円)ですが、上の図5の75日移動平均線乖離(かいり)率のボリンジャーバンドにおける中心線(MA)と同じ株価水準(26日時点で2万7,626円)でもあります。

 なお、今週は「月またぎ」で9月相場入りとなります。来週末の9日(金)にはメジャーSQが控えるというスケジュール感のため、需給的な要因によってアフター「ジャクソンホール会議」の相場が少し荒れる展開もありそうです。

 また、可能性は低いと思われるものの、中国市場が「意外な爆弾」になるかもしれません。今週の中国では製造業PMI(購買担当者景気指数)が公表される予定となっていますが、注目すべきなのはPMIではなく、中国大手不動産企業の碧桂園控股(カントリー・ガーデン)の決算です。

 同社のHPでは8月中に中間決算を発表する旨の記載はあるのですが、具体的な日付が公表されていません(8月28日時点)。決算の内容はもちろん、中国恒大集団(エバー・グランデ)のように、決算を公表できないという事態になってしまった場合には、中国市場に対しての不安が一気に高まる展開もあり得るため、注意しておく必要がありそうです。