今週の日経平均、2万9,500円超えも?

 続いて、目先の上値や下値の目安についても考えていきます。

図3 日経平均25日移動平均線乖離率のボリンジャーバンド(2022年8月19日取引終了時点)

出所:MARKETSPEEDⅡを元に筆者作成

 上の図3は、日経平均の25日移動平均線乖離(かいり)率の推移をボリンジャーバンド化したものです。

 先週末19日(金)時点の乖離率はプラス3.42%でした。また、過去の傾向を見ると、乖離率プラス5%あたりがピークになることが多く、今回もこの考えに当てはめるのであれば、先週末時点の25日移動平均線(2万7,974円)からプラス5%乖離の2万9,372円が目先の上値の目安となります。

 ちょうどこの株価水準は、先ほども紹介した1月5日の年初来高値(2万9,388円)や、フィボナッチ・リトレースメントの76.4%戻し(2万9,352円)とほぼ同じです。

 もっとも、ボリンジャーバンドのプラス2σまでの上昇は十分にあり得るため、2万9,500円超えの場面も想定しておいた方が良さそうです。

 続いて、下値の目安については、75日移動平均線乖離率のボリンジャーバンドで見ていきます(下の図4)。

図4 日経平均75日移動平均線乖離率のボリンジャーバンド(2022年8月19日取引終了時点)

出所:MARKETSPEEDⅡを元に筆者作成

 19日(金)時点の75日移動平均線乖離率はプラス6.90%となっています。

 先ほどの25日線の時と同様に、75日線についても乖離率プラス5%乖離が意識されやすい傾向があり、6月の時はプラス5%乖離で反落し、日経平均が高値をつけた昨年9月の時もプラス5%乖離のところでの攻防が見られた後、反落しています。

 さらにチャートをさかのぼると、2020年11月から2021年3月までの時はプラス10%乖離まで進む場面も見られます。この期間の日経平均は2万6,000円台から3万円台まで一気に駆け上がっていた時期です。

 最近の株価上昇がここでいったん終わるのか、それとも今後も続く大相場へとなっていくのかの判断は現時点では難しいところですが、少なくとも大相場に至るには、図4におけるプラス5%乖離ラインを維持する必要があります。

 先週末19日(金)時点のプラス5%乖離は2万8,505円ですので、仮に今週の株価が下落していった場合には2万8,000円台半ばで踏みとどまれるかが注目され、ここが目先の下値の目安となりそうです。