日経平均、ここ3週間の上げ幅合計は1,000円超え

 先週末8月19日(金)の日経平均株価は2万8,930円で取引を終えました。前週末終値(2万8,546円)比では384円高、週足ベースでも3週連続で上昇しています。ここ3週間の上げ幅の合計は1,000円を超えています。

図1 日経平均(日足)の動き (2022年8月19日取引終了時点)

出所:MARKETSPEEDⅡを元に筆者作成

 あらためて、先週の日経平均の値動きを振り返ると、上の図1を見ても分かるように、一段高でスタートした後に、2万9,000円台をトライする展開となりました。とりわけ、17日(水)の取引では2万9,222円まで値を伸ばし、今年の高値(1月5日の2万9,388円)を射程圏内に捉える場面もありました。

 週末にかけては、最近までの急ピッチな株価上昇による過熱感もあってか、売りに押されて2万9,000円台を少し下回って一週間の取引を終えています。ちょうど、前回のレポートでも指摘したように、「週初にもう一段高し、その後は上値が重たくなる」という展開でした。

 図1を見る限りでは、「高値の更新意欲」を残している一方で、「上昇の一服感」も感じられつつあるため、今週は2万9,000円台の攻防から両者の綱引きによって方向感を探る展開が想定されます。

 そこで、今週以降の値動きについてざっくりと探っていきたいと思います。

図2 日経平均(日足)の株価位置(2022年8月19日取引終了時点)

出所:MARKETSPEEDⅡを元に筆者作成

 まずは、足元の株価位置についてです。上の図2は日経平均の日足チャートに、「ギャン・アングル(ピンク色の線)」と「フィボナッチ・リトレースメント(水色の線)」を重ね合わせたもので、両者ともに、昨年の高値(2021年9月14日)、と今年の安値(2022年3月9日)の下げ幅を基準に描かれています。

 ごちゃごちゃしていて少し見づらいかと思いますが、先週17日(水)の高値(2万9,222円)は、ギャン・アングルの「8×1」ライン、フィボナッチ・リトレースメントの「76.4%戻し」あたりに位置していることが分かります。

 チャートを過去にさかのぼると、1月5日や6月9日の時のように、株価はギャン・アングルとフィボナッチ・リトレースメントが交差する「節目」に差し掛かると、いったん上昇がストップする傾向が見られるため、ここから先の株価が上昇していくには、こうした一服感への意識を吹き飛ばす、材料や勢いが必要となりそうです。