日本株へ、外国人の買いは続く?

 過去30年以上、日本株を動かしているのは、外国人投資家です。その外国人投資家が7月4~8日の週に日本株を現物・先物合わせて1兆円超買い越したことから、7月の日経平均は22日までで5.8%上昇しています。米景気ソフトランディングの期待を受けて、世界景気敏感株の日本株を外国人が買い戻したことによります。

日経平均と外国人の売買動向(買越または売越額、株式現物と先物の合計):2021年1月~2022年7月22日(外国人売買動向は2022年7月15日まで)

出所:東証データより楽天証券経済研究所が作成 注:外国人売買は、2021年は株式現物と日経平均先物の合計。2022年は株式現物と日経平均先物、日経平均ミニ先物、TOPIX先物の合計。棒グラフが上(プラス方向)に伸びているのは買越、下(マイナス方向)に伸びているのは売越を示す

 2021~2022年は外国人の日本株売買スタンスが定まらない状況が続いています。買い越し・売り越しがひんぱんに入れ替わっています。1兆1,834億円買い越した7月4~8日の次の週、7月11~15日は1,848億円の売り越しとなりました。

 ただし、その次の週7月19~22日は、まだ統計が出ていませんが、外国人が買い越したと推定されます。日経平均が1,126円も上がっているからです。

 ただし、このまま一本調子に外国人の買い、日経平均の上昇が続くとは考えられません。米景気の急降下から、このままハードランディングを不安視する声も強まっているからです。今週は、米景気後退への不安から外国人が日本株をまた売り越す可能性もあると思います。

割安な日本株を時間分散しながら買い増し

 日本株の投資方針について、結論は毎回述べていることと変わりません。日本株は割安で、長期投資で良い買い場を迎えていると判断していますが、短期的なショック安が終わったとはまだ判断できません。

 私は、米景気が軟着陸に向かう可能性が高いと思っていますが、ハードランディングのリスクも十分にあります。割安な日本株を、時間分散しながら買い増ししていくことが、長期の資産形成に寄与すると判断しています。

▼著者おすすめのバックナンバー

2022年7月13日:日経平均、年末に3万円回復ある?2022年の日経平均予想を振り返り
2022年5月19日:利回り4.4%・5.6%、増配発表の三菱UFJ、三井住友FGの「買い」判断継続
2022年5月11日:中部電力の投資判断をAvoid(見送り)からHold(保有継続)へ引き上げ