1兆円買いの後も、日本株の上値重い

 7月4~8日の外国人は、1週間で1兆円超の買い越しとなりました。それだけ大きな買いがあると、通常は、そのまま大量買いが続いて日経平均は大きく上昇するのですが、今回はそうなっていません。外国人が投資判断に迷っている状況にかわりはないと思われます。

 7月4~8日に米国株が急反発したのは、米景気の減速が鮮明になり、米長期金利が反落、FRB(米連邦準備制度理事会)の金融引き締め姿勢が緩む期待が出たためです。ところが、米国株も日本株もその後も上値は重いままです。13日に発表された米インフレ率(CPI(消費者物価指数)総合指数の前年比)が9.1%と想定以上に強く、FRBが7月も0.75%または1.00%の大幅利上げを続けるとの思惑が広がったこともあります。米景気にブレーキがかかり過ぎて、米景気悪化に至る不安もあります。米国株も日本株も、上へも下へも大きくは動けない展開が続きそうです。

需給面で最も注目される主体は、外国人で変わらず

 短期的な日経平均の動きを決めているのは、外国人です。これからも外国人の売買動向をしっかり見ていく必要があります。

 引き続き、外国人の日本株売買動向をウオッチしていくことが大切です。外国人の動きで気づいたことがあれば、本コラムで報告します。

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