※このレポートは、YouTube動画で視聴いただくこともできます。
著者の窪田真之が解説しています。以下のリンクよりご視聴ください。
「【日本株】外国人が7月は1兆円超買い越し 日経平均の上値重い」
今日は、日本株を動かしている外国人の売買動向を解説します。7月は外国人が1兆円超買い越していますが、日経平均株価の上値は重いままです。
上がるも下がるも外国人次第の日本株
いつもお話ししている通り、日本株は過去30年以上、外国人投資家が動かしています。外国人は、買う時は上値を追って買い、売る時は下値をたたいて売る傾向があるので、短期的な動きは外国人次第です。
それがとてもよくわかるのが、2020年の日経平均です。2020年の日経平均は、外国人の売りで暴落した後、外国人の買いで急上昇しました。
日経平均と外国人の売買動向(買越または売越額、株式現物と日経平均先物の合計):2020年1月6日~2020年12月31日
![](/mwimgs/3/4/-/img_349d66c00ad06c83ee1531fb142780a371306.jpg)
2021~2022年は外国人売買に方向感なし
2021年から2022年にかけて、外国人売買は方向が定まらず、売り買いがめまぐるしく変わっています。すごい勢いで買い始めたと思っても長続きせず、すぐ売りに転じます。すごい勢いで売り始めたと思っても、それも長続きしていません。
日経平均と外国人の売買動向(買越または売越額、株式現物と先物の合計):2021年1月4日~2022年7月19日(外国人売買動向は2022年7月8日まで)
![](/mwimgs/2/4/-/img_245c5756d73f67720dc827b6a5fabb8583125.jpg)
その結果、2021年の日経平均はトレンドが出ず、狭いレンジの上げ下げを繰り返してきました。2022年に入ってから、3月まで外国人の売りで大きく下がりましたが、その後は、狭いレンジの上げ下げを繰り返しています。
そうした中で、話題になったのが、7月第1週(4~8日)の外国人売買です。株式現物と先物を合わせて、1兆1,850億円の大幅買い越しとなりました。この週は、米国株が急反発した週です。ナスダック総合指数はこの週、1週間で4.6%上昇しています。米国株の上昇を受けて、日本株にも大量の買い戻しが入りました。
1兆円買いの後も、日本株の上値重い
7月4~8日の外国人は、1週間で1兆円超の買い越しとなりました。それだけ大きな買いがあると、通常は、そのまま大量買いが続いて日経平均は大きく上昇するのですが、今回はそうなっていません。外国人が投資判断に迷っている状況にかわりはないと思われます。
7月4~8日に米国株が急反発したのは、米景気の減速が鮮明になり、米長期金利が反落、FRB(米連邦準備制度理事会)の金融引き締め姿勢が緩む期待が出たためです。ところが、米国株も日本株もその後も上値は重いままです。13日に発表された米インフレ率(CPI(消費者物価指数)総合指数の前年比)が9.1%と想定以上に強く、FRBが7月も0.75%または1.00%の大幅利上げを続けるとの思惑が広がったこともあります。米景気にブレーキがかかり過ぎて、米景気悪化に至る不安もあります。米国株も日本株も、上へも下へも大きくは動けない展開が続きそうです。
需給面で最も注目される主体は、外国人で変わらず
短期的な日経平均の動きを決めているのは、外国人です。これからも外国人の売買動向をしっかり見ていく必要があります。
引き続き、外国人の日本株売買動向をウオッチしていくことが大切です。外国人の動きで気づいたことがあれば、本コラムで報告します。
▼著者おすすめのバックナンバー
2022年7月11日:8月優待人気トップ「イオン」の「買い」判断を強調、3-5月は最高益
2022年7月7日:セブン&アイHD、武田薬品の投資価値を見直し。キャッシュフロー表に表れる構造変化
2022年6月15日:これだけはやってはいけない!失敗例で学ぶ成長株投資の鉄則
本コンテンツは情報の提供を目的としており、投資その他の行動を勧誘する目的で、作成したものではありません。銘柄の選択、売買価格等の投資の最終決定は、お客様ご自身でご判断いただきますようお願いいたします。本コンテンツの情報は、弊社が信頼できると判断した情報源から入手したものですが、その情報源の確実性を保証したものではありません。本コンテンツの記載内容に関するご質問・ご照会等には一切お答え致しかねますので予めご了承お願い致します。また、本コンテンツの記載内容は、予告なしに変更することがあります。