中国の4-6月GDPはネガティブ・サプライズ

 15日に発表された中国4-6月GDPは、前年同期(2021年4-6月)比0.4%増でした。欧米や日本と同様に、前期比年率(2022年1-3月との比較を季節調整して年率換算)では、約10%のマイナスです。きわめて大きな落ち込みであったことが分かります。

中国GDP成長率(前年比):2007年1-3月~2022年4-6月

出所:ブルームバーグより作成

 4-6月のGDP落ち込みの理由はシンプルです。ゼロ・コロナ政策を堅持する中国政府が、上海でロックダウン(都市封鎖)を行ったためです。北京にも行動制限が広がりました。上海のロックダウンは6月1日に解除されたので、6月に経済のV字回復があれば、4-6月の落ち込みはもっと小さくて済んだはずでした。上海のロックダウンは解除されたものの、ゼロ・コロナ政策自体は変わっていないので、6月の回復は期待を下回りました。7月以降も、急速な回復は見込みがたく、今年の中国経済にはしばらく注意が必要です。

割安な日本株を時間分散しながら買い増し

 日本株の投資方針について、結論は毎回述べていることと変わりません。日本株は割安で、長期投資で良い買い場を迎えていると判断していますが、短期的なショック安が終わったとはまだ判断できません。割安な日本株を、時間分散しながら買い増ししていくことが、長期の資産形成に寄与すると判断しています。

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