日米とも製造業の景況低下

 これから発表になる日米の4-6月企業業績の先行指標といえるのが、すでに発表になっている日米の6月の景況指数です。

米国ISM製造業・非製造業景況指数:2018年1月~2022年6月

出所:米ISM供給公社

 製造業・非製造業とも景況が低下していますが、6月時点で、まだ景況の分かれ目である50は下回っていません。ほど良い減速で済むか、50を割り込む悪化になるか、今後の推移を見ていく必要があります。

 一方、日本は、製造業の景況が低下していますが、非製造業は回復しています。

日銀短観、大企業製造業・非製造業DI:2018年3月~2022年6月

出所:日本銀行「全国企業短期経済観測調査」

 米国景気の減速を受けて、製造業の景況は低下していますが、リオープンの期待から非製造業は上昇しています。ともに、景況感の分かれ目である0は上回っています。

割安な日本株を時間分散しながら買い増し

 日本株の投資方針について、結論は毎回述べていることと変わりません。日本株は割安で、長期投資で良い買い場を迎えていると判断していますが、短期的なショック安が終わったとはまだ判断できません。割安な日本株を、時間分散しながら買い増ししていくことが、長期の資産形成に寄与すると判断しています。

 当面の注目は、米景気がここから、「ほど良く減速」するのか、「景気後退」に進むか見極めることです。そのヒントとなる、4-6月期の決算発表に注目です。

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