先週上昇したNYダウ、戻りの目安は?

 そもそも、先週の日経平均が上昇した背景には、前週に続いて米国株市場の復調が影響しています。

図2 米NYダウ(日足)とMACD (2022年7月22日取引終了時点)

出所:MARKETSPEEDⅡを元に筆者作成

 先週末のNYダウ(ダウ工業株30種平均)は、株価の50日移動平均線の上抜けや、MACDの「0ドル」ライン超え、5日移動平均線と50日移動平均線のゴールデンクロスなど、先ほどの日経平均と同様に、テクニカルの好転サインが続々と出現し、上方向への意識を強めています。

 もっとも、200日移動平均線までには距離があるため、どこまで上値を伸ばせるかは未知数ですが、直近につけた、5月20日、6月17日、7月14日の安値で「トリプル・ボトム」を形成しているようにも見え、少なくとも今年1月5日の高値からの下落トレンドがいったん底入れしつつあると考えても良さそうです。

図3 米NYダウ(日足)のフィボナッチ・リトレースメント(2022年7月22日取引終了時点)

出所:MARKETSPEEDⅡを元に筆者作成

 仮に、NYダウが6月17日の安値で底打ちしたのであれば、引き続き株価の戻りを試すことになります。上の図3は、NYダウが高値をつけた1月5日(3万6,952ドル)から6月17日の安値(2万9,653ドル)の下げ幅に対する戻りの目安をフィボナッチ・リトレースメントで表したものです。

 NYダウは先週の上昇によって、23.6%戻し(3万1,375ドル)を超えて、38.2%戻し(3万2,441ドル)をうかがうところに位置していることが分かります。その後は50%戻し(3万3,302ドル)や、200日移動平均線水準でもある61.8%戻し(3万4,164ドル)あたりが戻りの目安となりそうです。