来週の日経平均見通し

図4 日経平均(日足)の移動平均線乖離率(25日)のボリンジャーバンド(2022年7月1日取引終了時点)

出所:MARKETSPEEDⅡを元に筆者作成

 先週末1日(金)時点の25日移動平均線乖離(かいり)率はマイナス3.75%でした(ピンク色の線)。

 この乖離率の推移を過去にさかのぼると、おおむねプラスマイナス5%の範囲に収まっていますので、1日(金)時点の25日移動平均線の値(2万6,946円)で計算すると、2万5,598~2万8,293円の範囲が目先の想定レンジとなり、その範囲内にあるプラスマイナス1σやMAなどの値が細かい値動きの目安になりそうです。

 そして、最後に今後の相場の方向性についても考えていきます。

図5 日経平均(週足)の動き(2022年7月1日取引終了時点)

出所:MARKETSPEEDⅡを元に筆者作成

 上の図5は日経平均の週足チャートに、ギャン・アングルなどいろいろと重ねたものになります。

 かなり読み取りにくい図になってしまいましたが、ポイントを整理すると、

(1)3本の移動平均線(13週、26週、52週)が全て下向きとなっている
(2)チャートの形状は「ダブル・トップ」の天井を形成し、その後の日経平均は52週移動平均線が抵抗となる「リターン・ムーブ」が繰り返されている
(3)直近の日経平均は2万6,000円割れで買いが入っているが、チャートを過去にさかのぼると、2万4,000~2万6,000円の価格帯は売買が少ない「空白地帯」となっている
(4)足元の値動きは下向きのギャン・アングル(ピンク色)の「2×1」ラインと「3×1」ラインの間で推移、株価の底打ちを確認するには、「4×1」ラインを目指す動きが必要
(5)上向きのギャン・アングル(水色)で見ると、足元の日経平均は「2×1」ラインと「3×1」ラインのはざまに位置している。今後の日経平均がどちらに向かうのかは2万6,000円台の攻防の勝敗に左右される

などが挙げられます。

 以上を整理すると、全体的には下方向への意識が優勢かなという印象ですが、それでも中長期的なシナリオを絞り込むのは困難と言えます。常に複数のシナリオを想定しつつ、状況の変化に合わせて比較的短期間で対応する必要があり、じっくりと取引したい投資家にとっては動きづらい局面がしばらく続いてしまいそうです。