今週の日経平均、早期の回復基調実現が焦点

図4 日経平均(日足)のフィボナッチ・リトレースメント(2022年5月20日取引終了時点)

出所:MARKETSPEEDⅡを元に筆者作成

 となると、先ほどの「上昇フラッグ」のところで想定した日経平均2万9,345円までの株価上昇は一筋縄ではいかなそうな印象を受けます。そこで、最後に目先の株価の戻りの目安を、フィボナッチ・リトレースメントをベースに探っていきたいと思います。

 上の図4は、昨年9月14日の高値から今年3月19日の安値の下げ幅に対する、株価の「戻し」の目安をフィボナッチ・リトレースメントで描いたものです。

 すると、3月19日に底を打った日経平均は一気に「61.8%戻し」まで上昇した後に下落に転じ、再び上昇した際には「50%戻し」、その後は「38.2%戻し」と次第に戻り高値の水準を引き下げていることが分かります。

 そのため、今後の株価の反発は38.2%戻し(2万7,017円)トライからスタートすることになります。そして、次には図4の上値ライン(紫色の線)が控えています。この上値ラインは、9月14日からの戻り高値がほぼ一直線上に結ばれているため、上値の抵抗線として強く意識されており、株価が本格的に上昇していくには、この上値ラインの突破が最大のハードルとなります。

 仮に、上値ラインを超えることができれば、さらなる株高に弾みがつく可能性が高まります。ちなみに、76.4%戻しの株価(2万9,352円)は、上昇フラッグで想定した株価(2万9,345円)とほぼ同じ水準です。

 したがって、今週は早い段階で2万7,000円台を回復し、株高基調を強めることができるかが試される週になりそうです。