最強のはずの4月に下がった3つ目の理由

BTCUSD月別騰落率

出典:Bloombergより楽天ウォレット作成

 ただ、悲観的な状況ばかりではない。アノマリーでいえば4月には及ばないが5月のパフォーマンスは過去11年で7回上がって、4回下がるとまずまず。

4月28日~5月7日期間中のBTCUSD(4月28日基準%)

出典:Bloombergより楽天ウォレット作成

 加えてGW(4月28日~5月7日)のBTCは8年連続で上昇している。本稿が公開される頃にはすでに結果は出ていそうだが、心強いデータだ。3つ目のBTC市場の秘密だ。

 この背景として、中国の連休期間中はマイナーの売り圧力が後退することが指摘されてきた。その結果、昨年の中国政府のマイナー取り締まり強化により、そうした効果は薄れるのではないかとの声も聞かれた。

 しかし、その後の昨年10月の国慶節や、今年1月の春節期間中もBTCは上昇した。今回のGWも上昇する可能性がある。

 カレンダー的には今年のラマダンは4月30日に終わるため、GW中にアラブの投資家が市場に戻ってくる可能性もある。

 まとめると、5月の相場は前半上昇、後半下落でほぼ横ばい推移と予想する。

2022年 時事イベントと仮想通貨の出来事(最新順)

4月4日 ウクライナへの仮想通貨で集まった寄付金、約123億円を超える
E・マスク氏(テスラCEO)、Twitterの筆頭株主に。取締役にも任命される
3月29日 Axie InfinityのRonin Networkで大規模ハッキング
3月22日 世界最大のヘッジファンド「Bridgewater Associates」、暗号資産ファンドに投資開始か
3月17日 FOMC、0.25%利上げ発表でビットコイン上昇
3月9日 デジタル資産に関する米大統領令を好感
2月28日 米、ロシア中央銀行の資産を凍結。ルーブル安からBTCに逃避フロー
2月27日  米欧、ロシアをSWIFTから排除
2月25日 プーチン大統領、軍事攻撃を命令
2月20日 北京五輪閉幕
2月17日 米大統領、ロシアが数日中にウクライナ侵攻    
2月12日 **BlockFi、SECと1億ドルで和解。米国内でのレンディングサービス困難に
2月4日 北京五輪開幕。当面、軍事衝突が控えられるという見方でBTC上昇
1月31日  春節の連休入り(大みそか)。例年BTCが強い時期
1月26日 プーチン大統領、中銀の暗号資産禁止に同意せず
1月20日 ロシア中銀が暗号資産の*マイニングと流通の禁止を提案

*マイニングとは:暗号資産(仮想通貨)は一般的にブロックチェーンと呼ばれるネットワーク参加者が誰でも見られる元帳上に取引を記録していきます。そのブロックチェーン上に取引データを記録する際に、膨大な計算を行うことで新たなブロックを生成する暗号を見つけ出し、その報酬としてコインを手に入れる行為のことです。マイニングの主な役割は「暗号資産の新規発行」と「取引の承認」です。

**暗号資産融資プラットフォームBlockFi(ブロックファイ)が提供する暗号資産を預かって利息を払うサービス(レンディング)が証券法に違反したと提訴された事件に関する和解として、SEC(米国証券取引委員会)に1億ドル(約115億円)を支払うと発表。

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