市場環境は年々複雑化。流れには逆らえない

 しばしば、「常識」を連呼する人に出会います。話を聞いているうちに、聞き手である自分が常識を知らないのではないか?と不安に駆られることがありますが、「常識」の連呼は、自身の考えを正当化する手段である場合が少なくありません。

 相手を操作する目的で発せられた「主観に満ちた常識」は、常識ではありません。ここでは常識を、「客観的事実が裏付ける、顕在化せずに底流する、多くの人たちが否定しない最大公約数。抽象化を経ることで迫ることができるもの」と定義します。

 以下は、コモディティ市場の動向を左右してきた主な要因(抽象的キーワード)です。

図:コモディティ市場の状況:全体観

出所:筆者作成

 事実を振り返れば、上図の期間で、コモディティ市場の変動に影響を与え得る要因の種類が増えたことは、一目瞭然です。社会全体が変化すれば、おのずと、その一要素である市場も変化します。社会の変化によって「常識は変化する」のです。