金(ゴールド)も原油も変動要因の多層化が進行

 ここからは、金(ゴールド)と原油の市場環境の変化について書きます。

図:コモディティ市場の状況:「金(ゴールド)」 主要な変動要因のみ掲載

出所:世界銀行のデータより筆者作成

 1960年代は政策が価格を決め、1970年代から1980年代は有事が、1990年代は株価動向が主な変動要因でした。この間は、比較的、価格動向を説明するのが簡単でした。しかし、2000年代に入り、変動要因が多層化し始めました。足元、ドル高(主要テーマの1つ「代替通貨」起因の下落要因が発生していても)でも、金(ゴールド)相場は上昇しています。

 次に原油です。

図:コモディティ市場の状況:「原油」 主要な変動要因のみ掲載

出所:世界銀行のデータより筆者作成

 1960年代は欧米のメジャーが価格を決め、1970年代から1980年代は産油国の政策と政情が主な変動要因でした。この間は、比較的、価格動向を説明するのが簡単でした。しかし、2000年代に入り、変動要因が多層化し始めました。足元、OPECプラスが増産(主要テーマの1つ「産油国の政策」起因の下落要因)をしていても、原油相場は上昇しています。