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投資家は常に「糸口」を探すもの

 日本株に限らず、グローバル株式市場はここまで、米金融政策が急速なタカ派傾向を示したこと(米インフレ加速)、ロシアのウクライナ侵攻による情勢の悪化と波乱続きでした。

 現時点で多くの個別銘柄は割安を示していると思われますが、懸念がまだ払拭(ふっしょく)されずにいることから、投資家は新たに買いに出ることに慎重な姿勢を崩していません。

 時折、外部環境の好転による買い戻しにより反発することはありますが、完全に反騰局面入りするまでには至っていない…というのがおおかたの認識だと思います。

 足元、3月期決算企業の本決算発表が進んでいますが、それについても今期強気見通しを示した企業よりも、慎重な見通しを示した企業の株価動向について、全体相場に悪影響がないかどうか投資家はまず関心を払っていると思われます。

 米金融政策にしても、ウクライナ緊張にしても、この時点ではすでに急に投資家を安心させることにはならないと考えておくべきでしょう。都合よく合図がされるわけではないのです。

 実はこのことについても投資家は十分に認識していると思います。そして、それでも株式市場は動いていくことから、必ずどこかに動意の糸口があり、それを探す構えであることにも変わりがないでしょう。

 好業績を継続する企業がそれに該当するかもしれませんし、足元の懸念事項の影響をほとんど受けない企業が見直されるかもしれません。また、消去法的な見方からディフェンシブセクターが選好されるかもしれません。

 ここでは、「直近年初来高値更新銘柄」に着目し、それらが足元強い動きをしている背景を見ていきたいと思います。年初来高値更新銘柄とは今年年初からここまでで、もっとも高い株価を付けた銘柄です。

 昨年来という意味では株価が低位にあるものもありますが、直近、高値を付けていることには変わりがありません。ここに目を付ける背景には「株式市場が(好材料に対して)先行して動く」という経験則があります。