株式市場の先行き懸念が強い中、下値抵抗力の強い銘柄に注目

 今回はウクライナ情勢の先行きが見通せない中で行われる決算発表となり、原材料調達難や材料費上昇のマイナス影響が強く業績見通しに反映される銘柄も多くなりそうです。   

 また、米金融引き締め強化に伴う、グロース株の行方も現時点では不透明です。相場の先行き懸念が強い中では、ダウンサイドリスクの乏しい銘柄を選好する局面と考えます。配当利回りが高いほか、PER(株価収益率)やPBR(株価純資産倍率)などどの指標で見ても、株価の割安感が意識される銘柄などは、株価下落余地の相対的に小さい銘柄として注目できるでしょう。

 相場の反転を待つにしても、こうした下値余地の乏しい銘柄を選好したい局面といえます。なお、高配当利回り銘柄に関しては、権利落ち後の処分売り局面は一巡したとみられます。

 今回取り上げた銘柄は、株価が低位で、かつ、配当利回り3%以上、PER10倍未満、PBR0.8倍未満のものとなります。全体相場の下落局面でも、相対的に下落余地は乏しいと判断されるものです。相場の反発場面ではグロース株の方が妙味は高まるとみられますが、少なくとも、5月のFOMC通過後の物色の変化を見極める必要があり、現在はバリュー株優位の状況と判断します。

 なお、配当利回りやPERなどの予想値は、楽天証券のスーパースクリーナーにおけるコンセンサス数値となっています。

株価指標がそろって割安な高配当利回り銘柄

コード 銘柄名 配当利回り
(%)
4月18日
終値
(円)
時価総額
(億円)
PER
(倍)
PBR
(倍)
業種
8306 三菱UFJ FG 3.71 752.1 99,894 8.37 0.57 銀行
6178 日本郵政 5.64 887.2 33,429 6.75 0.26 サービス
8604 野村HLDG 4.61 503.4 16,278 7.82 0.57 証券
5020 ENEOS HLDG 4.98 449.9 14,533 3.75 0.62 石油・石炭
8593 三菱HCキャピタル 4.50 581.0 8,523 8.41 0.64 その他金融
1803 清水建設 3.51 718.0 5,662 8.52 0.67 建設
9831 ヤマダHLDG 4.56 378.0 3,654 5.96 0.48 小売
5406 神戸製鋼所 4.74 556.0 2,204 3.87 0.28 鉄鋼
9076 セイノーHLDG 3.31 997.0 2,071 9.16 0.43 陸運
3941 レンゴー 3.34 727.0 1,971 6.20 0.57 パルプ・紙
7762 シチズン時計 3.62 481.0 1,512 9.32 0.74 精密機器
9412 スカパーJSAT HLDG 4.39 410.0 1,219 8.80 0.52 通信
注:配当利回りの単位は%、時価総額の単位は億円。
株価は2022年4月18日終値、単位は円。
注:PERは予想ベース、PBRは実績ベース。
注:配当利回り、予想PERはコンセンサス、楽天証券のスーパースクリーナーで作成。

銘柄選定の要件

  1. 予想配当利回りが3%以上(4月18日終値)
  2. 株価が1,000円未満
  3. 時価総額が1,000億円以上
  4. 予想PERが10倍未満
  5. 実績PBRが0.8倍未満
  6. 選定銘柄における業種ごとの時価総額トップ