米国株市場、5月の焦点は?

 最後に米株市場についても見ていきます。

図5 米NYダウ(週足)とMACD (2022年5月6日取引終了時点)

出所:MARKETSPEEDⅡを元に筆者作成

 上の図5は週足のNYダウとなります。

 NYダウは20年3月27日週から22年1月7日週まで上昇基調を続けてきましたが、現在は調整局面入りしています。この一連の値動きをフィボナッチ・リトレースメントで追っていくと、足元では、上昇幅に対する「23.6%押し」あたりで何度か踏みとどまっていることが分かります。

 引き続きこの株価水準がサポートとして機能できるかが注目されますが、3本の移動平均線の並び順が、下から13週・26週・52週となっていて、いわゆる「パーフェクト・オーダー」と呼ばれる状況になっていることや、MACDも下向きへの意識がまだ残っているため、一段安の展開の可能性もくすぶっています。

図6 米NASDAQ(週足)とMACD (2022年5月6日取引終了時点)

出所:MARKETSPEEDⅡを元に筆者作成

 同様に、米NASDAQの週足についてもフィボナッチ・リトレースメントで見ていくと、こちらは、NYダウよりも一段低い「38.2%押し」がサポートとして意識されていましたが、先週の値動きで下抜けてしまっているほか、MACDについても、NYダウより下向きの意識を強めていて注意が必要です。

 そのため、今週は警戒を強めているNASDAQが落ち着きを取り戻せるかどうかも市場のムードを左右する焦点になりそうです。