当面と長期の日経平均の動きを読む

 次に、もう少し期間を長めにとった日経平均の値動きも確認していきます。

図2 日経平均(日足)の動き (2022年4月1日取引終了時点)

出所:MARKETSPEEDⅡを元に筆者作成

 上の図2を見ると、足元の日経平均は3月9日の安値から12営業日という短期間で3,600円ほど値を伸ばしてきたわけですが、ちょうど、昨年8月20日から9月14日にかけての上昇局面を起点に形成してきた三角保ち合いの上限の線の延長線上で上値が抑えられた格好になっています。

 つまり、昨年9月14日以降の上値がほぼ一本の線で結ぶことができ、引き続き抵抗として機能していることが分かります。

 一方の下値については、三角保ち合いの形成中にサポートとなっていた線が、足元では先ほどの上値抵抗線とクロスしたことによって、現在の株価や200日移動平均線よりも上に位置しているため、今度は抵抗として機能する可能性があります。

 これまでのサポートが抵抗、もしくは抵抗がサポートへと変化するのは、いわゆる「レジ・サポ」と呼ばれるパターンです。

 上昇を継続させるには、抵抗となっている上値ラインを上抜けてサポートとして機能するか、下値ラインも上抜けていく買いの強さが必要になり、全体的には上値が重たそうと考えることができます。

 続いて、当面の日経平均の値幅についても考えていきます。

図3 日経平均25日移動平均線乖離率のボリンジャーバンド (2022年4月1時点)

出所:MARKETSPEEDⅡデータを元に筆者作成

 上の図3は、前回のレポートでも紹介した、日経平均の25日移動平均線乖離(かいり)率の推移をボリンジャーバンド化したものです。

 先週末4月1日(金)時点の25日移動平均線乖離率(ピンク色の線)はプラス3.93%となりましたが、3月29日(火)にはプラス6.8%をつける場面があったことを踏まえると、乖離率はプラス7%を超えられずにいったんピークアウトしたように見えます。

 また、ボリンジャーバンドには、バンドの幅が拡大してトレンドが発生した時、反対側のバンドの向きが変わると、トレンドが一服しやすいという傾向があります。

 実際に上の図3を見ると、反対側のバンド(ここではマイナス2σ)の向きが下向きから上向きへと変わっており、こうした見方からもピークアウトの可能性が感じられます。

 さらに、先週末時点での25日移動平均線(2万6,620円)を元に、バンドの各%の値を計算すると、プラス2σ(プラス9.75%)で2万9,215円となりますが、過去にピークアウトした場面を振り返ると、プラス2σにタッチしておらず、今回もそこまで上値を伸ばすのは難しいと考えられるため、先週届かなかったプラス7%水準(2万8,483円)が目先の上値の目安となりそうです。

 下値については、プラス1σ(27,927円)を中心に、MAやマイナス1σなどが目安になると思われます。