最近の金利の動き

 それでは実際に最近の金利の動きを見てみましょう。まず短期金利の代表選手である2年債利回りのチャートを示します。

 上のチャートを見るとこのところ急速に2年債の利回りが上昇していることが読み取れます。上で説明したように短期債の利回りは「次にFRBが政策金利をどう動かす?」という予想に連動する性質があります。つまり市場参加者は「FRBはぐいぐい政策金利を引き上げる」ということをこのチャートは織り込んでいるのです。

 次に10年債利回りのチャートをお見せします。

 こちらも最近利回りが上昇しているのですが2年債に比べるとその上げ方は緩慢なことがわかります。

 上で説明した通り、10年債利回りは将来のインフレに対する市場参加者の考え方を色濃く反映します。するとこのチャートから言えることは「投資家は遠い将来のインフレはそれほどひどくならないと感じている」ということです。

 もっと言えば米国経済の潜在成長率は、それほど高くないという風にも言い直せるのです。