外国人買いは当分期待できない

 日本株は割安で長期投資で良い買い場となっていると思いますが、短期的な下値不安はまだ払しょくできません。米利上げ、ウクライナ・ショックが続く中で、しばらく外国人投資家の売りが続く可能性があるからです。

 ただし、私は外国人の売りについていっしょに売っていくのは、そろそろやめた方が良いと判断しています。米インフレもウクライナ危機も短期的に解決のメドがたちません。それでも、ここまで割安になった日本株をさらに売り続けるのは、得策だとは思えません。いつになるかまったく分かりませんが、ウクライナ停戦の期待が出る、あるいは米インフレが鎮静化に向かう見通しになるなど、事態が少しでも好転する兆(きざ)しが出れば、外国人が買い越しに転じ、日経平均が急反発する可能性もあるからです。

 もちろん、私の考えが間違っていることもあり得ます。米インフレ&ウクライナ危機がさらに深刻になり、世界不況を招くならば、世界株安はさらに続くことになります。危機がどう変化していくか、予断をもたずウォッチしていく必要があります。

 長期的には買い場と判断している日本株ですが、短期的にさらに下がる可能性も残っています。リスク管理しながら、時間分散しながら買い増ししていくことが、長期の資産形成に寄与すると判断しています。

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