外国人が売れば下がり、買えば上がる日本株:短期的には「コバンザメ戦法」が有効

 いつも本コラムでお伝えしている通り、過去30年、日本株を動かしているのは外国人です。外国人が買い越した月は日経平均株価が上昇、売り越した月は日経平均が下落する傾向が、30年以上続いています。外国人は、買うときは上値を追って買い、売るときは下値を叩いて売る傾向があるので、短期的な日経平均の動きはほとんど外国人によって決まります。

日経平均と外国人の売買動向(買越または売越額):2021年1月4日~2022年3月15日(外国人売買動向は3月4日まで)

出所:東京証券取引所データより楽天証券経済研究所が作成。外国人の売買動向は、株式現物と日経平均先物の合計

 米インフレ&ウクライナ・ショックで日経平均を急落させたのも外国人でした。その前、昨年9月14日に高値3万670円をつけたときの買い主体も外国人です。短期的には、外国人の動きに逆らっても何もいいことはありません。外国人の動きについていけば、相場の方向性について大きな間違いをしないですみます。私がファンドマネージャーだったとき、外国人にぴったりくっついていく戦略を「コバンザメ戦法」と呼んでいました。短期トレードではきわめて有効な戦略でした。

 ただし、いつまでも外国人についていくとロクなことはありません。日経平均の天井で買うのも、大底で売るのも外国人だからです。2021年の動きもそうです。9月14日に高値をつけたとき、外国人といっしょに買っていたら、その後の下げで損失をこうむっていたと思います。

 外国人の売買にはある程度ついていくべきですが、どこかで外国人の売買と逆の動きをする必要があります。日経平均が大底に近づいていると思ったら、外国人といっしょに売るのをやめなければなりません。日経平均が天井に近づいていると思ったら、外国人といっしょに買うのをやめなければなりません。どこで、外国人と違う動きにするか、判断するのが大切です。