米国高配当株4:トロント・ドミニオン銀行(TD)

 カナダ5大銀行の一行で、カナダ第2位の銀行であり、北米第5位の銀行でもあります。

 時価総額は1,375億ドルで、日本円で約16兆1,000億円となっています(1USD=117円計算)。

事業の注目ポイント

 事業の中心は、「カナダ国内リテール事業(Canadian Retail)」で、続いて「米国リテール事業(U.S. Retail)」、「法人金融事業(Wholesale Banking)」と続きます。

「カナダ国内リテール事業」では個人・法人向け銀行サービスや保険などを通してカナダの顧客にサービス提供をし、「米国リテール事業」では個人・法人向け銀行サービスと富裕層向けビジネスを米国で展開しています。

競合他社

 競合他社として、カナダを拠点とする金融サービスのプロバイダーであるバンク・オブ・モントリオール(BMO)、金融持株会社であり、投資銀行業務、金融サービスおよび資産管理を行うJPモルガン・チェース(JPM)、銀行持株会社であり、多角的な金融サービス会社であるウェルズ・ファーゴ(WFC)などが見受けられます。

株式の注目ポイント

 株価は昨年の高値を超えて推移しており、配当は今年に入って増配しています。

 コロナの影響で一時的に株価は下落したものの、その後徐々に回復し、現在はコロナ発生前の株価を3割程度上回って推移しています。

 また、米国で事業を展開する同業のFirst Horizonを買収することが2月末に発表されましたが、今後その買収がさらなる株価上昇につながるか注目です。

業績動向

 2022年3月3日開示の四半期決算では売上高・1株利益共に市場予想を上回りました。

「カナダ国内リテール事業」において顧客数、取引高、収益共に堅調に拡大したことで、純利益は前年同期比11%増となり、好調な業績の要因となりました。今後は、強化しているモバイル・アプリや投資先のチャールズ・シュワブの業績により、さらなる業績拡大が期待されます。

 次回2022年5月26日に開示予定の四半期決算において、市場予想を上回る事ができるか注目です。

注意点

 First Horizonの買収について、FRB(米連邦準備制度理事会)が銀行合併に対して監視の目を強化しており、計画通りに合併できず、それにより業績に悪影響が出る可能性がある点には注意が必要です。

株価動向、配当利回り紹介

配当:3.56ドル
配当利回り:3.69%
株価:75.82ドル(約8,900円)

 この銘柄、権利落ち日は4月7日(権利実施は4月30日)です。

 配当利回りは3月8日時点で3.69%、株価は75.82ドルでおよそ8,900円から購入できます(1USD=117円計算)。2019年からの最高値は85ドル、最安値は33.83ドルとなっています(終値ベース)。