米国高配当株5:コスタマーレ(CMRE)

 世界有数のコンテナ船所有企業です。

 海上貨物輸送の主流を占めるタンカーとコンテナですが、そのコンテナ船のチャーターを大手海運会社に行っています。パナマ運河を通過できるギリギリの大きさである、パナマックスサイズのコンテナ船を最も保有しており、続いてVery Large Container Ships(VLCS)クラスのコンテナ船を保有しています。

 時価総額は17.5億ドルで、日本円で約2,050億円となっています(1USD=117円計算)。

事業の注目ポイント

 事業は「1日あたりの営業収入とコンテナ船の稼働状況」のみの単一事業です。

 その中で、売上の中心は「コンテナ船事業(Container vessels)」で、続いて「ドライバルク事業(Dry bulk vessels)」となります。

「コンテナ船事業」では多種多様な製品を積むコンテナ船のチャーターを、「ドライバルク事業」では鉄鉱石・石炭などを主とするドライバルク船のチャーターを行っています。

競合他社

 競合他社として、輸送サービスのプロバイダーであり、ドライバルク船の所有権を専門とするダイアナ・シッピング(DSX)、持株会社であり、中型と小型のコンテナ船を所有するチャーター所有者であるグローバル・シップ・リース(GSL)、コンテナ船の運営を通して国際的な海上輸送サービスを提供するダナオス(DAC)などが見受けられます。

株式の注目ポイント

 株価は昨年の高値を下回って推移していますが、配当は昨年増配をしています。

 コロナ発生により、コンテナ市場が一時期停滞しましたがその後大きく回復し、それに伴いコスタマーレの株価も上昇しました。

 一方、コンテナ市場の回復が急だったため港湾の混雑や貨物量の増加により、コンテナ船の稼働率が低下したこともあり、株価は昨年の高値を下回っています。

 今年に入って株価は再び上昇基調に転じており、昨年の高値を超すことができるか注目です。

業績動向

 2021年10月27日開示の四半期決算では、1株利益は市場予想を上回りましたが、売り上げは市場予想を下回りました。

 しかし、前年同期比の水準を大きく上回っており、今後も供給を上回る需要が続くとコスタマーレは予想していることから引き続き堅調な業績が期待されます。

 次回2022年3月10日に開示予定の四半期決算で、市場予想を上回る決算を発表できるか注目です。

注意点

 今後も業績は堅調に推移する事が予想されていますが、地政学的リスクなどによって需要減少が起き、海運市況が停滞するなどの際には業績悪化・株価下落の可能性があり注意が必要です。

株価動向、配当利回り紹介

配当:0.46ドル
配当利回り:3.24%
株価:14.17ドル(約1,650円)

 この銘柄、権利落ち日は4月中旬の予定(権利実施は5月上旬予定)です。

 配当利回りは3月8日時点で3.24%、株価は14.17ドルでおよそ1,650円から購入できます(1USD=117円計算)。2019年からの最高値は16.52ドル、最安値は3.55ドルとなっています(終値ベース)。

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