バフェットの年次書簡「株主への手紙」

 2月26日に公開された年次書簡「株主への手紙」は次のように始まる。

 バークシャー・ハサウェイの株主の皆様へ

 長年のパートナーであるチャーリー・マンガーと私は、皆さんの蓄えの一部を管理する仕事をしている。皆さんの信頼にお応えできて光栄に思う。

 私たちの立場は、あなたが経営者だったら知りたいことを、あなたに報告する責任を負っている。この年次レターや年次総会を通じて、皆様と直接コミュニケーションできることを楽しみにしている。

 当社は、すべての株主を平等に扱うことを方針としている。そのため、アナリストや大手機関投資家とのディスカッションは行わない。また、重要な情報については、可能な限り土曜日の午前中に発表し、月曜日の市場が開くまでに株主や報道関係者がニュースを吸収する時間を最大限に確保するようにしている。

 株主の皆さんの中には、このような詳細な情報を知りたいという人もいるだろうし、チャーリーと私が考えている新しいことや興味を持っていることを知りたいという人もいるだろう。

 残念ながら、2021年にはそのようなアクションはほとんどなかった。しかし、皆さんの株式の本質的な価値を高めるという点では、それなりの成果を上げることができた。この仕事は57年間、私の主要な任務だった。そして、これからもそうあり続けるだろう。

 今回の年次書簡はバフェットにとってこれまでで最も短い12ページだった。

 まずは、同時に発表された決算に触れておこう。2021年12月期決算は、純利益が前の期に比べて2倍の897億ドルになった。バフェットが重視する営業利益も同じく25%増の274億ドルに拡大した。バークシャーが保有するエネルギー事業や鉄道事業が好調だった。

 この四半期に69億ドルの自社株買いを行ったことも明らかになった。2021年は、バークシャーにとって静かな一年、つまり大きな買収はなかった年であったが、過去2年間に517億ドルの自社株を購入し、積極的な自社株買いを続けている。