今週の予想

懸念だったオミクロン株はピークアウト。3月に向けて慎重なスタンスが必要

 先週の日経平均は、15日(火)に2万6,724円まで下げて2万7,000円を一時割り込んだものの、この日以外は終値では2万7,000円を守っていたことで、この水準で値固めの可能性もありましたが、週末の米国株式が引き続きウクライナ問題で、リスク回避の下落となり、シカゴの日経先物が2万7,000円を割っていますので、再び下値を確認する動きとなりそうです。

 国内の重大な懸念であった、オミクロン株の感染はピークアウトの様子をみせており、米国の金融引締めも3月のFOMC(米連邦公開市場委員会)に向けてFRB(米連邦準備制度理事会)の金融政策は進んでいるものと思われます。

 その過程でロシアのウクライナ侵攻の焦点であるNATO(北大西洋条約機構)の東方不拡大を求めるロシアと欧米の溝がどこまで埋まるかという状況にあります。ウクライナ情勢は政争の具にすぎなければ、時間の経過とともに市場は慣れてきて、ある程度、織り込んでいくことになります。その場合でも偶発的に有事が勃発するリスクは残ることになります。

 そうなると3月のFOMCが最初のチェックポイントとなります。米国では1月の消費者物価指数が大きく上昇し、また、1月に開催されたFOMC議事録からはFRBがハイペースの利上げも辞さないスタンスが示されており、3月のFOMCでは0.5%(事実上の2回分)の引き上げが織り込まれつつあります。

 こうした中で、オミクロン株のピークが減少に転じてきており、岸田内閣が入国制限の緩和にかじを切って徐々にオミクロン株への向き合い方を変えてきています。経済再生の恩恵を受ける旅行、レジャーや交通に関する企業の株価が動意づいています。

 目先はロシアのウクライナ問題が欧米との駆け引きに使われて株価の大きな上下動がありそうですが、今週の日経平均は2万6,500~2万7,500円のレンジの中の動きが想定されます。

 3月のFOMCをきっかけに、上昇するかどうかは米国次第ですが、一方で日本の3月はメジャーSQ(特別清算指数)(3月11日)や確定申告、年度末の関係で調整が入るという経験則があり、それに加えて今年は4月に「市場編成」があります。投資家にとっては、3月も慎重なスタンスが必要といえます。