米市場がけん引した、週末の大きな反発

 ただ、週末の25日(金)は、状況はあまり改善してはいなかったものの、大きく反発していきました。その背景にあるのは、急落から大きく切り返した米株市場の動きです。

■(図2)米NYダウ(日足)の動き (2022年2月25日取引終了時点)

出所:MARKETSPEEDⅡを元に筆者作成

 実際に、上の図2で米NYダウ(ダウ工業株30種平均)の日足チャートを見てみると、24日(木)から25日(金)にかけての切り返しの大きさが目立っています。

 ローソク足の形も、24日(木)が下ヒゲの長い陽線、25日(金)が実体の長い大陽線で買いの勢いも感じられるほか、リスクオフの境界線となる3万4,000ドル水準も回復しています。

■(図3)米NASDAQ(日足)とギャン・アングルの動き (2022年2月25日取引終了時点)

出所:MARKETSPEEDⅡを元に筆者作成

 米NASDAQも同様に大きく切り替えています。特に24日(木)に出現した大陽線は、実体の長さが900p近くになっていたほか、翌25日(金)も大きい陽線が続いており、買いの強さがうかがえます。

 また、株価水準的には、ギャン・アングルの8×1ラインを大きく下回ったところから、4×1ラインのところまで回復させており、このまま25日移動平均線を超えることができれば、1万4,000pから1万4,500pの価格抵抗帯をトライする可能性も出てきました。

 最近までの株式市場は、米国の急ピッチな金融正常化に伴う影響を警戒していたこともあって、マイナス(下向き)の相場地合いとなっていましたが、ここ2週間はさらにウクライナの地政学的リスクというマイナスの材料が加わる格好となったため、普通に考えれば、下げ幅が拡大していく展開が想定されますが、今のところはそうはなっていません。

 中長期的にみた日経平均がチャネルラインの下限で下げ止まっているほか、TOPIX(東証株価指数)も先週の安値(2月24日の1,843p)は直近安値(1月27日の1,835p)を下回っていません(下の図4と図5)。

■(図4)日経平均(日足)の動き (2022年2月25日取引終了時点)

出所:MARKETSPEEDⅡを元に筆者作成

■(図5)TOPIX(日足)とMACDの動き (2022年2月25日取引終了時点)

出所:MARKETSPEEDⅡを元に筆者作成

 米NYダウ(週足)についても、コロナショック後からの上昇幅をフィボナッチ・リトレースメントでみると、ちょうど23.6%押しのところで株価が反発しています(下の図6)。

■(図6)米NYダウ(週足)のフィボナッチ・リトレースメント (2022年2月25日取引終了時点)

出所:MARKETSPEEDⅡを元に筆者作成