米国高配当株4:メルク・アンド・カンパニー(MRK)

 1668年創業の、世界で最も歴史の長い製薬会社です。世界有数の製薬会社でもあり、NYダウ30銘柄の一社でもあります。時価総額は1,960億ドルで、日本円で約22兆5,400億円となっています(1USD=115円計算)。

事業の注目ポイント

 事業の中心は、「医薬品事業(Pharmaceutical)」で、続いて「アニマルヘルス事業(Animal Health)」、「その他収益事業(Other Revenues)」と続きます。

「医薬品事業」では「KEYTRUDA(キイトルーダ)」、「JANUVIA(ジャヌビア) / JANUMET」、「GARDASIL(ガーダシル) / GARDASIL 9」などの医薬品を取り扱っており、その中でも免疫チェックポイント阻害薬「KEYTRUDA」が「医薬品事業」の売上高の約38%をあげています。

競合他社

 競合他社として、研究ベースのグローバルなバイオ医薬品企業であるファイザー(PFE)、ヘルスケア分野でさまざまな製品の研究開発・製造・販売を行う持株会社であるジョンソン・アンド・ジョンソン(JNJ)、医薬品を製造・販売するヘルスケア企業であるバイアトリス(VTRS)などがあります。

株式の注目ポイント

 株価は昨年の高値まで戻っていませんが、配当は2021年12月に増配しています。

 コロナ発生後も他の業種と比べて株価の変動は少なく、堅調な業績から株価も一定のレンジで推移しています。今後、コロナ飲み薬モルヌピラビルが業績に好影響をもたらすことで、さらなる株価の上昇が期待されます。

業績動向

 2022年2月3日開示の四半期決算では売上高・1株利益共に市場予想を上回りました。

「KEYTRUDA」の売上高が20%増え、「GARDASIL / GARDASIL 9」の売上高が44%増となるなど、主力製品の売上拡大が好調な業績に寄与しました。2022年度も売上は拡大する見通しであり、今後も堅調な業績が期待されます。

 次回2022年4月28日に開示予定の四半期決算において、市場予想を上回ることができるかどうかに注目です。

注意点

 コロナ内服薬モルヌピラビルが、米国での需要において、ファイザーやグラクソスミスクラインのコロナ内服薬ほど人気がなく、業績に大きく寄与しない可能性がある点には注意が必要です。

株価動向、配当利回り紹介

配当:2.76ドル
配当利回り:3.55%
株価:77.58ドル(約8,900円)

 この銘柄、権利落ち日は3月14日(権利実施は4月7日)です。

 配当利回りは2月7日時点で3.55%、株価は77.58ドルでおよそ8,900円から購入できます(1USD=115円計算)。2019年からの最高値は90.54ドル、最安値は63.31ドルとなっています(終値ベース)。