■(図2)日経平均移動平均線乖離率のボリンジャーバンド(25日)(2022年2月18日時点)

出所:MARKETSPEEDⅡデータを元に筆者作成

 その25日移動平均線について、もう少し細かく見ていきたいと思います。上の図2は、日経平均の25日移動平均線乖離(かいり)率をボリンジャーバンド化したものになります。ピンクの線が乖離率の推移で、先週末18日(金)時点ではマイナス0.86%に位置しています。

 図2を過去にさかのぼると、乖離率がプラス2σ(シグマ)とマイナス2σのあいだを上下しながら推移してきたことが分かります。

 このリズムに従うのであれば、足元は1月27日にマイナス2σあたりで底打ちして、プラス2σへと向かっている最中ということになりますので、先週末時点のプラス2σ(2万7,661円)が株価反発していった場合の目安と考えることができます。

 もっとも、この水準まで株価が戻すのであれば、相場の地合いもかなり改善されていることになりますので、これまで乖離率が天井をつけることの多かった乖離率プラス3%までの上昇もあるかもしれません。先週末時点で計算したプラス3%は2万8,178円です。

 もちろん、先週末時点では株価が25日移動平均線に跳ね返される「リターン・ムーブ」の格好でもあるため、相場のムードが悪化した場合には、2万7,000円台割れやMA(2万6,679円)、マイナス1σ(2万6,189円)、マイナス2σ(2万5,697円)あたりを目指すことになります。

 また、相場の不透明感の強さは米国株市場も同様です。下の図3は米NYダウ(ダウ工業株30種平均)の日足チャートです。

■(図3)米NYダウ(日足)の動き (2022年2月18日取引終了時点)

出所:MARKETSPEEDⅡを元に筆者作成

 先週の米NYダウは200日移動平均線で上値が抑えられた後、週末にかけて下げ幅が加速する展開となりました。この下げ幅の大きさについては、今週あたまの21日(月)の米国株市場が休場のため、ポジション整理が増えたことを考慮する必要はありそうです。

 移動平均線については、25日と200日移動平均のデッド・クロス(長期の移動平均線を、短期の移動線が上から下に突き抜け、×(クロス)を描いたとき。これから相場が下落傾向になるかもしれないという売りサインの1つとなる)が出現しています。

 週末18日(金)の終値は3万4,079ドルでしたが、図3を見ても分かるように、昨年夏ごろからのNYダウは3万4,000ドル割れで底を打つことが多く、図1で見てきた日経平均2万7,000円水準と同じように、NYダウ3万4,000ドル水準がリスクオフを意識する境界線となる可能性があります。